【都城市・リフォーム】アパートの劣化対策はなぜ重要？外壁塗装を行うタイミング

建物の寿命と資産価値への影響

アパートの劣化対策を考えるうえで、建物の寿命と資産価値への影響を理解することが重要です。アパートには寿命があり、外観上問題がなくても内部の劣化が進行している可能性があります。

国税庁が定める法定耐用年数は、アパートの寿命を判断する一つの目安となります。構造によって耐用年数は異なり、以下のようになっています。

• 木造・合成樹脂造：22年
• 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造：47年
• 金属造（骨格材の肉厚により異なる）：19年～34年

ただし、これはあくまで会計上の基準であり、実際の使用可能期間とは必ずしも一致しません。

アパートが老朽化すると、様々な面で資産価値に影響を与えます。まず、入居者からの人気が低下し、空室率が上昇する傾向にあります。これは家賃収入の減少につながり、資産としての価値を下げる要因となります。

また、建物の経年劣化に伴い、修繕費用が増大します。外壁の再塗装や設備の更新など、維持管理にかかる費用が年々上昇していきます。これらの費用負担は、アパートの収益性を低下させ、結果として資産価値の減少につながります。

入居者の快適性と安全性の確保

アパートの劣化対策は、入居者の生活環境を守るうえで非常に重要です。適切な対策を行うことで、快適で安全な住まいを提供し、長期的な入居を促すことができます。

快適性の面では、以下のような効果が期待できます。

• 結露の防止：外壁の断熱性能が向上し、室内の温度変化が緩和される
• カビの抑制：湿気を適切にコントロールすることで、カビの発生を抑えられる

安全性の面では、次のような効果があります。

• 構造の保護：外壁の劣化を防ぐことで、建物の構造を長期的に守る
• 漏水の防止：適切な防水処理により、雨漏りなどのリスクを低減する
• 有害物質の遮断：適切な塗料を使用することで、外部からの有害物質の侵入を防ぐ

これらの対策は、入居者の健康と安全を守るだけでなく、長期的な入居を促進し、オーナーにとっても安定した収入につながります。

長期的な修繕コストの削減

アパートの修繕は避けられないものですが、計画的に行うことで長期的なコスト削減が可能です。

まず重要なのは、予防的な修繕を行うことです。小さな問題を早期に発見し対処することで、大規模な修繕を防ぐことができます。定期的な点検を実施し、劣化が進む前に適切な処置を施すことが大切です。

次に、修繕の優先順位を適切に設定することが重要です。建物の安全性や機能性に関わる箇所を優先的に修繕し、装飾的な要素は後回しにするなど、メリハリをつけることでコストを最適化できます。

また、修繕工事を計画的に実施することで、まとめ発注によるコスト削減も可能です。例えば、外壁塗装と屋根修繕を同時に行うことで、足場の設置費用を節約できます。

さらに、高品質で耐久性の高い材料を使用することも長期的なコスト削減につながります。初期費用は高くなりますが、修繕の頻度が減ることでトータルコストを抑えられます。

塗装の適切な周期と判断基準

アパートの外壁塗装を適切なタイミングで行うことは、建物の耐久性を高めるうえで非常に重要です。一般的に外壁塗装の周期は10～15年といわれていますが、建物の立地や気候条件によって大きく変わります。

塗り替えの判断基準として、以下のような症状が現れたら要注意です。

• 塗膜の剥がれや浮き
• チョーキング（塗膜が粉状になる現象）
• ひび割れや亀裂の発生
• 色褪せや変色

これらの症状が見られる場合、早めの塗り替えをおすすめします。

また、海岸沿いや工業地帯など、環境が厳しい場所では塗り替え周期が短くなる傾向があります。逆に山間部など比較的環境のよい場所では、周期が長くなることもあります。

定期的な点検を行い、建物の状態を把握することが大切です。専門家による点検を1～2年に1回程度実施し、塗装の劣化状況を確認することをおすすめします。

建物の状態に応じた塗装計画の立て方

アパートの塗装計画を立てる際は、建物の現状を正確に把握することが重要です。まずは、外壁や屋根の劣化状況を専門家に診断してもらいましょう。診断結果にもとづいて、適切な塗装計画を立てることができます。

塗装計画の立て方は、大きく分けて以下の3つのステップがあります。

1．劣化状況の確認

外壁や屋根の部位ごとに詳細な調査を行います。例えば、外壁であれば以下のような項目をチェックします。

• ひび割れの有無と程度
• 塗膜の剥がれや浮き
• コーキングの劣化状況
• 雨漏りの痕跡

2．塗装範囲の決定

調査結果を踏まえ、塗装が必要な範囲を決定します。部分的な補修で済む場合もあれば、全面的な塗り替えが必要な場合もあります。

3．塗装工法の選択

塗装工法の選択では、建物の素材や劣化状況に応じて最適な方法を選びます。

このように、建物の状態を適切に診断し、それに応じた塗装計画を立てることで、アパートの耐久性を効果的に向上させることができます。

塗料の選び方

アパートの外壁塗装において、適切な塗料の選択は非常に重要です。耐久性と機能性のバランスを考慮しながら、最適な塗料を選ぶことが大切です。

まず、塗料の種類によって耐用年数が大きく異なることを理解しましょう。一般的な塗料の耐用年数は以下のとおりです。

• アクリル塗料：3年～6年
• ウレタン塗料：7～8年
• シリコン塗料：10～12年
• フッ素塗料：15～18年
• 無機塗料：20～22年

耐用年数が長い塗料ほど価格は高くなりますが、長期的に見ると塗り替え回数が減るため、コスト面でメリットがあります。

次に、塗料の機能性についても検討しましょう。近年では、単に色をつけるだけでなく、様々な機能を持つ塗料が開発されています。例えば、断熱効果や遮熱効果を持つ塗料は、入居者の快適性向上やエネルギー効率の改善に貢献します。また、親水性を高めたセルフクリーニング効果のある塗料は、メンテナンス頻度を減らすことができます。

耐久性と機能性のバランスが取れた最適な塗料を選択することで、アパートの資産価値を高め、入居者満足度の向上にもつながります。

建物の劣化は、いきなり大きな問題に発展することがあります。小さな変化を見逃さず、定期的に点検することで、大きな修繕費用を抑え、建物を長持ちさせることができます。

そこで、外壁塗装の専門家でなくてもできる日常点検の注目ポイントを解説します。

外壁のチェックポイント

塗膜の状態

外壁を手で触ってチョーキング（塗膜が粉状になる）がないか確認しましょう。また、塗膜の剥がれや浮き、ひび割れがないか注意深く見てみてください。

色

外壁の色が均一で、色褪せや変色がないか確認してみましょう。

コーキング

窓枠やサッシ周りのコーキングがひび割れていないか、隙間がないか確認しましょう。

雨漏りの跡

天井や壁にシミやカビが生えていないか確認しましょう。これは、雨漏りのサインかもしれません。

屋根のチェックポイント

• 瓦：割れていたり、ズレていたりしないか確認
• 雨樋：ゴミが詰まっていないか、破損していないか確認
• 棟板：棟板が浮いていたり、破損していたりしないか確認

点検の頻度

• 月1回：雨漏りの跡や、外壁の大きな変化がないか確認
• 年2回：春と秋に、建物の全体をじっくりと点検

建物の劣化は、早期発見・早期修繕が大切です。定期的な点検を習慣化し、建物を長く美しく保ちましょう。ただし、屋根など高所での作業は危険もあります。不安な場合は、ぜひ、地域の専門業者にご相談ください。